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2007年10月24日

本当に必要なのは教育プログラムの改革ではなく

ボーイスカウトの「団は経営するもの」というコメントをbskurosanのところに残してきましたが、うまく書けなかったので、こちらに記事にしてみます。

BS・・もとい! VS隊長な日々
団という枠組みhttp://blog.goo.ne.jp/bskurosan/e/5fac98a65e7dab7a1118dfb40b15d87f

最近私の先輩のある隊長さんは、昨年から今年にかけて日本ジャンボリーや世界ジャンボリーがあったにもかかわらず、加盟員が減少し続けていることを嘆いていらっしゃいました。今の加盟員数から女子とビーバーを除いたら、ひと頃に比べてホントに少なくなっちゃってるんじゃないか、と。


実は数年前、私の生まれ育った団も、とても悲しいことに活動休止になってしまいました。私がずっと故郷を離れてる間の出来事だったのですが、久しぶりの連絡だな、と思ったら解散のお知らせで、ちょっとショックだったんです。

最近になって、ようやくそこに至る経緯を少し伺うことができたのですが、結局いろんな負の要因が、少しずつ作用して行って、必死に食い止めようとしてきたOBたちの努力の甲斐もなく、ついには休止せざるを得ない状況に陥ってしまったようです。


その過程において、やはり団の統合・合併という問題に直面しました。


原隊を愛するがゆえに、なかなか心情的に理解できない部分と、やはりスカウトに活動の機会を提供し続ける、そういう環境を維持していく為には、隣の団と一緒になった方が良い、という合理的な判断・・・。当事者にしかわからない苦しみがあったことと思います。

第三者的に冷静に見れば、スカウトに活動機会を継続的に残していくという「大儀」を取って、合併するべきだった、というのが妥当な考え方かも知れませんね。あるいは、減少局面においては淘汰される運命にあったのかもしれません。今となっては、もう終わったことですが。

続けたい人は、「移籍」していけば良いわけですから、地理的な制約なんかがあったとしても、まあ何とかなりますね。かくいう私も、3つ目ですから。


合併といえば、企業の場合は、どうでしょうか。


競争の激化により、いわゆるM&A(買収・合併)や、異なる企業間における部門ごとの事業統合や提携、あるいは売却・撤退など、ドラスティックなことが日常茶飯事になっています。

そこに働くのは、大儀でしょうか、それともエゴでしょうか。多分、企業は生き残りのためなら、どちらでも、何だっていいんだと思います。企業理念なんかより、弱肉強食、ただ勝つか負けるか、の世界なのでしょう。



さて、私たちが参画しているこのスカウト運動においてですが、顧客がスカウトやその保護者であるとすれば、競合するのは昔から塾であり部活であり、あるいは似たような教育活動も含めて、最近ことに多様化した習い事の類ともいえます。



では、スカウト運動を事業としてみたときに、日本は政策としてやってるわけではないので、なんといっても「お客様に選ばれるだけの魅力・価値」といったものが必要不可欠です。塾や部活、いろんな誘惑や時には親の言いつけにも勝てるくらいの。


そのためにはやっぱり顧客獲得のためのマーケティングとか、効率の良い事業運営といったものを、今よりもっと戦略的に展開する必要があるはずなんですけど、実は最大の弱点はここじゃないかと思うんです。




日本連盟も「スカウト運動の基本を大切に加盟員数を拡大する」ためにも、さまざまな改革を進めようとしています。

(事業計画はこちらのページにあります。)
http://www.scout.or.jp/nihonrenmei.html

《基本方針》
より良いスカウティングを より多くの青少年に!

《重点目標》
スカウト運動の基本を大切に 加盟員数を拡大する
世界スカウト運動創始100周年を契機に


《重点事業》
1.スカウト教育法を充分に活用した活動を展開する
2.団に関わる指導者の養成を図る
3.スカウト活動の国際化を図る
4.新規加盟員を獲得し、中途退団者を抑止する
5.情報提供機能を向上し広報活動を充実する
6.財政基盤の強化を図る




私は詳しく内容を知っているわけではありませんが、どうもこの中には「団運営」という概念が足りないのでは、と考えています。

「団という枠組み」という記事で始まった話なので、あえてここは団と書きますが、言い換えれば「指導者とスカウトをサポートする」ために、組織を効率よく運用していくための改革こそが、必要ではないかと思うのです。



以前「スカウティング塾」という定型外訓練に参加させていただいてた時、塾長さんに「こんどは『団運営塾』ってできないですか。」とお願いしたところ、「そんなの、できないよ。」って、かわされてしまいました。

それは「第2部」での与太話だったのでどうでもいいんですけど、少し社会を経験してから現場に戻ってきた指導者として、あるいは私の周りから聞こえてくる話などから、指導者を支える仕組み(としての団や地区)の重要性を痛感することは多いです。

特に原隊から上進して指導者になる者が減っている中で、新しい指導者のなり手がいない。まあ、団委員も同じような状況でしょうが、これがなんだか持久戦というか、消耗戦みたいな、やってて苦しい状況に陥ってしまっていないでしょうか。




例えばカブスカウトの活動においては、デンリーダーを各組に配置することが求められます。ところが、やってくださる方がいなくて、組集会ができない。

デンリーダーがいなくても、組集会できなくても、まあ、最初はいいんでしょうね。で、隊長は研修所に行くと、隊長ハンドブックにそう書いてあるから、その通りやんなさい、と言われる。さらにそこには、自分の後任を見つけるのが隊長の仕事、とまで書いてある。

でもそれって、隊長だけが背負うには荷が重い感じがしてきますね。

我々指導者は、目の前のスカウトにもっと良い活動を提供したい、と思ってやっているのに、十分なサポートを得られてないのでは。隊長は他の指導者たちやスカウトだけでなく、保護者へのアプローチもしなきゃ、そうでなきゃ次のデンリーダーも副長も見つからない。

もう、よくわかんないから、とりあえずビーバーのときみたいに組とか関係なく遊ばせておこう。そのほうが楽しそうだし・・・。なんてなっちゃうと、がっかりです。



これについては、やはりオモテの指導者と裏方の団委員が一緒になって、ビーバーからカブにかけての最初の数年間、新規加盟員の親御さんや若い仲間たちに対して、この運動の目的や日々の活動の狙いについて繰り返し説き、ラブコールを送り(リクルートし)続けていくことが、(指導者や団委員の)後継者養成の第1歩だと思っています。



いろんなやり方があるでしょうが、まず団の幹部を筆頭に、みんなできちんとした理念を共有していくこと、そしてオモテ(指導者)とウラ(団委員会・育成会)の役割分担や、各課程の指導者間の連携とかを、うまくやっていくことが求められるんじゃないでしょうか。


いくら教育の中身を検討したところで、それを確実に実行できる素地が隊や団や地区になければ、仕方ないですしね。まずは、団の組織力の充実を、ということを、指摘しておきたいのです。



それって、まさに企業経営とおんなじと思えてなりません・・・。



ハンドブックを読むと、隊長や団委員長は、菊スカウトや富士スカウトの延長線上のごとく、スーパー隊長やスーパー団委員長になることが求められているような気がします。指導者としての育成強化が団の経営強化と同一線上にあるというのは、ちょっと無理がありますよね。これはもう、管理者と技術者の違い、のようなものでしょう。


実際ボーイスカウトは、チームワークとかコミュニケーションとか、点(個)だけではなく面(集団)の部分が重要なはずですね。団や地区が面(チーム)としてどう動くか、そういう具体的な「戦術」こそ、いま現場で求められているような気がします。



最後にもうひとつだけ。


これもどこかで書きましたが、この運動はボランティアで、無償で、余暇時間を使って行われることが特徴ですが、それで私が、みんな一生懸命やってる活動や会議の中で、つい考えてしまうことがあります。この人たちの休日出勤手当を仮に計算したら、いくらだろうって。


それに見合う活動(の中身)であって然るべき、それだけのパフォーマンスを活動内容や組織運営に求めていくのも当然、と言ったら言い過ぎでしょうか。


何よりもスカウト運動が、おとなにもこどもにも余暇の時間をつぎ込んでまでやってみたい、「おもしろい活動」なんだ、ということで、広く社会に認知されていくことを願っています。


それで、次の100年は、こういう感じで行ってみたいですね。


 "Scouting for Boys, Girls and Adults."
posted by ぬまた at 00:57| ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ぬまたさんの更新を興味深く拝見いたしました。
確かに仰ることは良くわかります。
ただ、善しにつけ悪しきにつけ、全てがボランティアで成り立っているところが何とも難しいところではありますよね。

今必要なことは、全保護者が団の運営に関わるようにしていく事ではないかと考えております。
カブの「やくそく」と「さだめ」、スカウトの「ちかい」と「おきて」を子供と一緒に保護者にも考えていただき、実践していただくように指導しなければと思っております。

子供は親の背を見て育つと言いますから、皆で一緒に実践しましょうと言うしかないのかもしれませんね。

また、団委員に動いてもらいたくても、そもそも、その団委員自身が、燃え尽きてしまっている感がないでしょうか。

団を変革するには、まずは自分と志を同じにする味方を作ることかなと思っています。難しいかも知れませんが、そうして地道に変えていくしかないのでしょうね。
Posted by kaz-Y at 2007年10月24日 10:49
切実な問題ですね。
スカウティングの改革は、現状の世の中の流れを分析する必要もあります。
スカウターのみなさんが論議するのは、いつも国内のスカウティングの話です。

ネット社会なんですから、海外はどうなのかを学ぶ必要もあります。

「ボランティアだから・・・」の言い訳は日本人らしいですね。
スカウティング以外に自治体の協働事業ではすでに「有償ボランティア」という考え方も定着しています。
一時期、「BSAは株式会社だからけしからん!」なんて発言する方もいましたが、それは違います。プロフェッショナルスタッフとボランティアスタッフが混在しながら活動するから成功します。
コミッショナー研修1つにしてもBSAは60日間連続です。日本は?
スカウティングは、気がつかないうちにクローズドな考え方や発想になりがちです。
NPOは「運営でなく経営だ」という考え方が定着しています。
サッカーは、この考え方がJリーグから地元の少年サッカーに至るまで定着しています。

皮肉な言い方をすると、我々が報酬をもらえるだけの能力や知識、技術が現在提供できているか・・・も考えなくてはいけません。
サッカーや水泳、体操の世界で「ボランティアだから・・」と能力や知識、技術さらに経営能力がない指導員やクラブだったなら、生徒は集まりません。
ボーイスカウトも同じことです。

BSAも香港童軍もこうした考え方が根底にあります。
PLAN・DO・SEEなんて研修で言っても、実践できていないですものね・・。
評論は評論家にまかせろ!ですね。
Posted by oldscout at 2008年10月25日 09:24
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