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2007年05月17日

ウッドバッジ研修所のすすめ

ウッドバッジ研修所はボーイスカウトの隊長(隊の指導者)になる為のもので、それぞれの課程(年代)に応じて5つのコースがある。隊長(隊の指導者)として、どのようにスカウトを指導し、あるいは隊を運営していくか、という事を、3泊4日のキャンプ生活を通して、実習を含む講義漬けで学ぶ。


ボーイスカウト日本連盟 > メンバー向け情報 > 指導者訓練
http://www.scout.or.jp/j/info/training/training.html



隊長となるための資格のために必要とされる研修所だが、もしまわりの指導者がみんなこの研修を受講してくれれば、隊長としては大変助かるのではないか。たいていの場合、研修所で教わったことを自分の隊に「ひとりで(長い時間をかけて)」展開していかなればならないから、理解者が多いほど隊運営のレベルは飛躍的に向上することが期待できるはず。


ひとりのスーパー指導者が隊を引っ張っていくことが現状として多いのかもしれないが、指導者層を厚くすることで、結果として、スカウトにより良い活動の場を、より長期にわたって与えることが可能となるだろう。


別に隊長にならなくても良いから、自分の為にどんどん受けてみる、というのもおおいにありではないか。修了すればウォッグルをいただけたりするけど、そういうのは別に「権威」とかではなく、研修を受けてきました、の証に過ぎない。それよりも、社会一般に行われている研修で、こんなに安く(講師もボランティア!)、それでいて内容がこんなに充実したものも、なかなか無いでしょう。



私は数ヶ月前に移籍してローバー隊長にはなったけど、本当にわからないことばかりだ。ローバースカウト課程の研修所はなかなか開催されないので、その前のベンチャースカウト課程を受講することにした。


山武閣

研修所のコースで行われるセッションには、各課程「共通」のものと、その課程「独自」のものと、2種類を組み合わせて行われる。


ウッドバッジ研修所ベンチャースカウト課程基本訓練 基本日程表http://www.scout.or.jp/j/info/download/archive/14%20wbken-vs_nittei.pdf



高校生年代(16〜20歳まで)が対象のベンチャースカウト課程で特徴的なのは、「プロジェクト法」という教育方法が用いられることだ。

ボーイスカウト日本連盟 > メンバー向け情報 > 用語集
http://www.scout.or.jp/j/youth/yougo/yougo_ha.html

■プロジェクト法(Project Method)
テーマを定め、自学自習する学習法。創意工夫や改善、実験などを繰り返しながら到達する学習法で、単に読書するだけに止まらず、調査し、検討し、実際に行ってみたり、製作してみたり、改善したりというプロセスを経て、修得するので身につきやすい。工事や環境保全等の特別事業に使われることも多いが、これは教育用語とは異なる。


教育におけるプロジェクト法の活用については、こちらにも興味深い記事があった。


NBonline(日経ビジネス オンライン) > 宮田秀明の「経営の設計学」
時間と気持ちを惜しんでいませんか

http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20070508/124359/

ここには、東京大学工学部のシステム創成学科で行われているプロジェクト教育が、教員に高い負担を強いつつも着実にその効果を挙げている、というようなことが書かれている。





ベンチャー課程では、このプロジェクト法(という教育方法)を理解しないことには指導者は務まらない、といって良いほど、そのウェイトは高い。


ここで、隊運営におけるカブ課程との比較を考えてみた。



<カブスカウト課程>
1.ニーズの吸い上げ(組集会、イエローバーミーティング、リーダー会議、保護者会・・・)
2.活動計画の立案(1年計画)
3.活動展開(リーダー会議が中心)


<ベンチャースカウト課程>
1.ニーズの吸い上げ(隊集会、個人面談・・・)
2.活動計画の立案(3〜5ヵ年計画)
3.活動展開(隊長と議長などの、役割の分担。グループ会議→隊会議→運営会議→隊集会・・・)




どちらもニーズの吸い上げから始まるが、カブ課程では指導者が全て活動を組み立てるのに対して、ベンチャー課程ではそれを「スカウト自身によるプロジェクト」として誘導し、「目的を達成すること」を学び、「個人としての成長」を狙う。


また、ベンチャー課程においては、個人のプロジェクトとグループのプロジェクトがある。

研修所では、実際の進め方として、スカウトのニーズを個人のプロジェクトへ、それらの最大公約数を求めグループのプロジェクトへ、そこから更に個人のプロジェクトとして明確にしていく・・・。というプロセスを教わった。これらプロジェクトについては企画書、計画書、報告書、という形でまとめていく。



プロジェクト法、これは面白い。社会人として、何かを成し遂げるために必要なプロセスを、高校生年代で教えてあげることができるのだ。隊長として、研修で教わったとおりに実践していくことは、簡単ではなさそうだけど。


指導者講習会では「スカウト運動の一貫性」として、上の課程に行くほど「成人指導者の協力」が減ってスカウトの「自発活動」が増すという図を見せられる。スカウトに関しては正しいが、おとなの部分について、指導者の関与って減るのだろうか。


確かにベンチャー課程になると、指導者が「提供」する部分は減り、スカウトが「自ら行う」部分は増える。しかし、プロジェクトのアワード取得に向けてスカウトへ個別に対応を迫られることとかを考えると、むしろ負担は増えるのではないか。これは、私にベンチャー隊指導者の経験がなく、話だけを聞いて、単に大変そうだ、と感じているだけかもしれないが。






ほとんど幽霊のようなスカウト経験を経て、学生指導者としてカブ隊を3年あまり、タイムマシンに乗ってさらにこの1年半。一昨年にはカブ課程の研修も受講させていただいた。研修所は、このときが初めて。


指導者としてはカブばっかりで、自分自身の経験からボーイ隊までは何となくイメージ出来るけど、その上はもうシニア(昔のベンチャー課程)じゃないし…。制服の変更や女子の加入という教育課程の大きな変革から既に一時代経ち、今また次の見直しがされてるという。このままでは、どんどん置いていかれてしまう。これからの時代に通用する指導者にならなくては。


指導者養成訓練体系検討特別委員会 「検討のまとめ」http://www.scout.or.jp/j/info/training/training..matome.html


ここに書いてあるように、研修に単位制が導入されるなどして、受講できる人の数がどんどん増えていけば良いと考えている。幅広い人材が指導者として参加できる体制にするなど、指導者訓練の仕組みを現実に即して変えていければ、指導者層が厚くなり、活動が良くなって、加盟員の減少に歯止めをかけることもできるだろう。

スカウトを増やそう、のかけ声は良く聞くが、いま本当に必要なのは、新しい血として指導者を増やしていくことなのかもしれない。






今回の研修は、ローバー課程を受講する前の予備研修のつもりでもあった。ベンチャー過程を知らずしてローバー課程だけ行っても、絶対そこが知りたくなると思ったからだ。それに、プロジェクトって、実際どうやっていいんだか皆目わからなかった。

終わってみて、やっぱり難しそうだけど、結局これらの内容を実践していく上でもっとも大事なのは、セッションの中で何度と無くでてきた言葉だった。

 「コミュニケーション」

これについては、こちらのベンチャー隊長さんがいつも強調されている。私はその主張の背景が、少し理解できたような気がした。一生懸命コミュニケーションをとり続けていかないと、スカウトの自発活動を引き出すことなどできない、という経験からなのだろう。



スカウティング研究センター 事務局の日記:
コミュニケーション:

http://riics.seesaa.net/category/220103-1.html



さて、スカウトがキチンとベンチャー課程を経てきたとして、ローバーではどのように指導すればいいのか。もちろん、ローバーから始めるスカウトに対しても、同時に対応していかなければならない。ローバー課程の研修に参加できるとすれば、それが次の私のテーマとなるだろう。


そうして、20年スカウトをやったらどうなるのか、スカウト運動が目指すものを、そのためにスカウト運動は何ができるのか、というようなことを、自分なりに理解してみたいと思う。
posted by ぬまた at 01:02| ☁| Comment(5) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はーい~(^◇^)/。今年は時間をもぎ取ってでも秋の研修所に行ってくるつもりです。

既に行った隊長達に
「研修所で何学んできたんだ!」 
なんて口に出すのをガマンしているので、実際何を学んでいるのかこの目で見てきます。
裏方に徹して自作の報告書で、行動予定、安全管理、伝達事項など埋め尽くし、隊長不在中をまかなって引き渡したけど、空しさが残りまして、悲しいです。
現役隊長の理想をプログラムに絶対残すぞと、(かなりやんわりと)お伺いを立てても「任せます」この一言だけで終わるのが辛いです。
(裏方のくせに)隊長以上に周りを手伝いに巻き込んで協力して下さる保護者を増やし、報告書を埋める素人は煙たいものなんでしょうか?
会社でやっている普通の事を持ち込むのが間違いだったのでしょうか?
私が隊長だったらと思う事の半分も強制していないのですが。

ビーバーはカブを目指し、カブはボーイを目指し、ボーイは自立しているベンチャーを目指し〜。そう繋がっていると思ってます。安全管理や心理的配慮も貴重だと思っています。
ただの親ですがそう思えます。

隊の活動がスムーズに行えれば、会社でもスムーズに仕事が出来るヒントだらけなので真剣に取り組む価値はあると思います。
そして真剣な姿を子どもに見せたいものです。
団委員は出しゃばってはいけない。
しかし私も子どもを預ける一保護者の気持ちは無くせないんです。
Posted by ちずやん at 2007年05月18日 21:27
> 実際何を学んでいるのかこの目で見てきます。

ぜひ楽しんで行ってきてください。


私は、指導者って、みんな「自己流」なんだと思っています。

研修所は、隊長としての入口みたいなところなんです。一回頭の中をゼロにしてから、「ボーイスカウト」ってなんだろう?(隊長って、何をすれば良いの?)ということばっかり、集中して考える3泊4日。

そのあと、結局「自己流」に戻っていくんですけど、研修後は、そこにすこし「基本」みたいなのが付け加わるのだと思います。


つまり、自己流というのは、みんな「会社でやっている普通の事を持ち込」んでるのに過ぎない、ということなんです。


逆に、この運動をよりよいものにして行くためには、幅広い方々の「社会人力」を、スカウト運動に集めていきたいんですね。

だから「ボーイスカウト」的なモノに興味が無くとも、「社会で普通に取り組んでいる」そのままで良いんです。

おとなもこどもも、最初っからボーイスカウトについてどっぷり、という人はいないでしょう。中には、合わない人も多い。

でも、やっていくうちに、この教育システムの「奥深さ」みたいなものに「気づき」、「真剣に取り組む価値」を見いだしたりして、だんだん惹き込まれていく人もいらっしゃいます。


研修に行って「損した」とか言う人はまずいないでしょう。だから研修所くらいまでは、どんどん「勢い」とか「ノリ」でも良いから、たくさんの人が参加してくれたらいいな、と思っています。
Posted by ぬまた at 2007年05月21日 18:43
ぬまたさん いつも「ちずやん」がお世話になっております。

>研修に行って「損した」とか言う人はまずいないでしょう。だから研修所くらいまでは、どんどん「勢い」とか「ノリ」でも良いから、たくさんの人が参加してくれたらいいな、と思っています。

ぼくも同感です!!!
Posted by イノウエヨシオ at 2007年05月24日 14:42
イノウエさん

こちらこそ、お世話になっております。

最近のちずやんさんの情報発信量は、すごいですね。

私もがんばります。
Posted by ぬまた at 2007年05月24日 22:53
Σ(⌒◇⌒;) ゲッ! トーチャンでた〜!!

最近ご自分の仕事が忙しそうで、あんまり見かけなかったのに....。
アチコチで挨拶回りしておられますな(;^_^A
な、何もしておりませんぜ。
イノウエさんと濃い話は出来ませんので
他の先輩方にご質問を少々....

去ります C= C= C= C= C= C= ┌(;・ω・)┘
Posted by ちずやん at 2007年05月25日 07:08
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